昭和五十年九月十二日　御理解第二節


　「先の世までも持って行かれ子孫までも残るものは神徳じゃ。神徳は信心すれば誰でも受けることが出来る。みてると云うことがない。」


　みてることがないと云うおかげ、信心すれば誰でも受けることが出来ると云う信心。信心すれば誰でも受ける事が出来るというところを、みてると云うことがない、もうこれでおしまいと云うことがない。無尽蔵である。限りないそういうおかげにつながらせて頂く為に神徳を頂かせて頂かねばいけない。信心すれば誰でも受けることが出来ると仰せられるのですから。
　私はね、教祖様が嘘のことを仰ってない、本当のことを教えておらっしゃることだと、そしてそれをこんなにも本当だと云う事を実証して行くことをね、お道の信心者の責任だと思う。
　教祖様は嘘を仰ってない、ちっとは針小棒大だと、それはまあ理想だけれどもそういう訳にはいかんと、云うのではなくて、信心すれば誰でも受けることが出来るのが、神徳じゃと仰る。だから、信心して本当にその神徳と云うことに触れて、ああこれが神徳かと云うおかげを頂いて、しかも尽くしきる事がない。限りないみてることにない程しのおかげを頂き、現してしかもそれがあの世まで持って行かれる、この世にも残しておけれると云うことですから、どうでもそこを頂かねばいけません。
　そこで信心すればと云うここでの信心すればと云うこと、只参りよります、拝みよりますと云うことではない。その証拠には、どれ程どれだけ沢山の信奉者がこの百十何年の間にあったか知れませんですが、なら御神徳らしいものを頂いておる者は非常に少ない。
　だからそういう信心じゃない。御神徳を受けられない方のなさった事のない様な信心なのです。
　だからここでは、信心とは信心する心を書いてありますからね。昨日の御理解から致しますと、信心は大きな信心がよい、迷い信心ではいかぬ。一心と定めいとこう仰る。
　昨日の御理解の中に申しました様に、それでよいのだと、あらゆる問題、そこに一つの或時点に来た時にです、それは自分の思う様になっていないかも知れないけれどもです、それでよいのだと云うところに安心が生まれる。云うならばどうでも良いと云う信心。一心におすがりして右と願わんのに左になった。さー、神様も的にならえと云うのではなくて、神様を信ずればこそ、神様を信ずるが故にです、これは神様の御都合に違いないのですから、おかげの方は右になっても左になっても、その出たところそのものがおかげだと信じれるから、そこはどうでも良いのです。そりゃお互いに願い事を持っておりますから、どうぞ右になります様に左になります様にと云って、やはり願いますよ。願いますからその願い通りのおかげを頂く。それも有難いですが、けれどもそこにはね、神様には神様の御都合があるのです、ね。
　例えて云うならばです、まだ十五か十六位のつがです、どうでんこうでん嫁御ば貰うちゅうたっちゃ、お、そりゃよかけん、よんじゃろうとは云わんでしょうもん。どうしてようじくれんかと、俺はあそこに好きな女がおるけん、ようじ呉れと云うても親がおいそれと、そんならよんじゃろうと言わないようなもんです。
　やはりその息子がです、一人前の事が出来るようになり、もう嫁御でも貰うたならば、夫婦位は食べて行けるじゃろう。人物もあれだけでけたからと思い言わなければ、嫁御を探して呉れなければ貰うと言うても急に承知はしません。
　お前が今、嫁御どんようだっちゃ、嫁御を食わせきるかと、自分さえ食いきらんとにと云うのが当り前でしょうが。それをお願いをしておる。そのお願いの、いわば筋とかお願いの事柄と云うものがです、やはり神様の心にそこに叶わなければ、やはりおかげにはならん。こう云い乍らも実際はね、実際問題になると、でもあるけれどもやはり神様がお印の様におかげを見せて下さる事実はあります。それは、いわゆるここで現れておる奇跡です。
その奇跡を見せてでも、神様は信心させようとなさる。信心の心を作ろうとして下さる、ね。こりゃもう本当にそうです。もうこれは病気だけの事じゃありません。経済問題だけの事じゃありません。もう様々に人事百般、様々な問題がです、云うならば受け物もなからなければ、信心も出来とらんのだけれどもです、やはりお神様が奇跡的なおかげを下さる、また奇跡を表してくださる。それはここで云う信心をさせたいばっかりなのです。だから、そういうおかげがいつまでも続く筈がない。
　神様がね、信じて呉れと、でないと神は信ずるものを信ずると仰せられる様にです、この神様の間違いなさを段々分からせて貰う、信ずることの出来れるその信ずる力を頂いて行くと云う行き方。
　昨日の御理解で、云うなら右と願った事が左、左と願った事が右であってもです、これは神様の御都合に違いないと、例えば、昨日つつろこの話をしましたね。
　つつろこが左右になって行きよる内に簾が編み上げられて行く。みすを奉らして頂くと云う。あれだちが金光様の信心しよるばってん、あんなに何時までも貧乏しとるとか、内輪が何とかと非難攻撃を受けることがあるけれども、それは左右になりよるときです、ね。　それを一つ編み上げるまでが信心辛抱であって、みすを奉らして頂くときに、お道を汚しておったものは、清める事が出来るでしょう。心配をさせておった人には安心して貰うことが出来るでしょう。　自分の心をその為に汚しておった様なことも新たな、いわば清まりを頂くことが出来るでしょう。いわゆるみすを奉る事が出来るのです。しかもその信ずる力、信ずる働きと云うものが段々育って参りまして、もうそれこそ、大きな広い信心、神様の思いをいよいよ深く広く分からせて頂くことになれば、出来る程みてることがないと云うおかげも、やはり広い深い範囲に成って行くのです。
　昨日は親教会の地鎮祭がございましたから参りました。まあ、炎天下に一時間余りも久し振りであそこにちゃっと座っとりましたもんですからね、外ですから、もう本当に一日でこげん色が悪うなった。天幕も張っちゃないもんだから、それでもう終り次第に御直会をと云うことでございましたけども、繁雄さんも一緒に来て頂いとりましたから、慌てて私は帰りました。本当に繁雄さんが来て頂いとったと云うことも、暑かったこともやっぱり御都合だったなと思うんです。あれが私一人で暑うもなかって、天幕どん出したったら、私はゆっくりとせにゃおられない、いわば立場にあったんですから。けれども、そういう口実も色々あって帰らせて貰いました。
　帰らせて貰うたら、立派な壮年会の方達ですね、青年でもない、年寄りでもない方達が自動車でゾロゾロ降りよりますもん。二台の自動車の中からどこの方達かと思いよったら、熊本の方達が合楽を目的にして、熊本の青年教師の方達でした。もう本当に神様の御都合ちゃ有難いなあと思うんです。それからお届けを終られて研修室で暫くお話をさせて頂いたんですけど、開口一番合楽で云っておられる合楽示現活動と云うことは、どういう事ですかと云う質問がございました。まあ私は色々お話をさせて頂きました。まあ色々聞きながら、させて頂ながら思うた。もう一人一人熊本の、云うならば一流教会のしかも壮年会の一番素晴らしいところの先生ばっかりですから、二人程私の知った先生がありました。
　以前椛目にお参りなさった方と、この頃山田先生のことで参りました上熊本教会の先生と二人だけは忘れとりましたけど、お話しとる内に思い出したんです。やはりもう枝か葉になって良いこと悪いこと伝わって行っているわけですよね。
　本当に神様がこういう様な形で示現活動をさせて下さっているなあと私は思ったんですけど、もうどの先生でも実に素晴らしい、ほんなごて、ほんなごてこれを文章にしたら素晴らしい本になるごとを言われるです。私の言うた事に対して或場合には成程と云う場合もありゃ、それに対する対抗意識と云うか、それを整然と言われる先生があるです。教学的に言われる方があるです。云うならば実にもっともなことを言われるけれども、その尤なそういう事が分かっておられるのに、どうして尤なおかげが立ちませんかと私が。だからあなた方のは、云うなら尤らしいのだと云うのです。
　私はそう言いながらね、改めてお道の御本なんかを見るとね、これ程素晴らしい事を言われる先生方の処で、どうして人が助からんじゃろうかと思うんですよ。
　深いことは私どんが言うておるよりも深いことを、云うならば整然と話したり説いたりしておられるんです。又、お書物なんかになさっておられるのです。又、教報なんかにそれが出て來るんです。
　だから、これ程しのことが分かっておられるのに、どうしておかげが立たんだろうかと私は思うておったが、昨日お話をしながら、聞きながら合点がいきました。
　成程これは尤らしいことが分かっておるだけだと云うこと。ね、自分が教えを通して現したおかげでもなからなければ、自分の体験から生まれた道理ではないと云うことです。只尤もらしい事を云うておるだけだから、尤なと云う話はつかないけれども、此処では私の話を聞いて皆が助かっておるんだと、云うならば私が尤な話をする。私は不自然な話は一つもした事はない。どこまでも天地の道理に叶った話しかない。云うなら尤な話をする。ああ成程尤もだと合点が行ったら一人一人の上にその尤もだと云うおかげが現れて來るんだと。
皆さん、只信心が詳しうなる。尤もらしいじゃいかんです。尤なおかげが伴わないです。
　尤もらしく分かったところでは決して、云うならばそういう尤もらしい話が分かった。だからもう金光様の信心はこれでマスターしたと云う様なことを云われる先生方もおられましたがです、それで信心だと思うておられたら、それは間違いだと。信心とは信ずる心と云うものは、実に希薄なものである。薄いものである。だから、おかげが薄い、おかげが薄っぺらなんである。
　だから、尤もらしいでなくて本当に尤もと云う話は教祖の御教えのです、教祖様が嘘は仰ってないと云う事実です、ね。
　金の杖をつけば曲がる。木や竹は折れる。神を杖につけば楽じゃと、例えば教えて下さる一つのみ教えでもです、自分の心に楽ではない、不安である、腹が立つ、いらいらする。如何に言葉に金光様を唱えて居っても神を杖についてない証拠なんだよ。神を杖につけば楽と仰る。云うならそういう信ずる神を頂いてこそ、初めて神を杖についたと云うことになるのである。
　その信ずる神を杖についてこそ、初めてです、昨日私が言うどうでもよいと云う心も開けて來りゃ、出たとこ勝負もうそこんところがおかげよと、それでよいのだと云う心も生まれて來る。
　だから昨日の御理解をです、例えば一心に迷わずにその信心を進めて広く大きくして行くならば、御神徳に触れることが出来る、頂くことが出来る。又、みてることがない程しのおかげも頂かれる。しかもそれが広う深うなるならば、いよいよおかげも広う深うなることになるのじゃないでしょうかね。
　教祖様は決して嘘を仰っていないと云う私は事実をお互いの信心体験の上からそれを実証して行くと云うこんなに有難い楽しい事はなかろうと思う。いわゆる教祖のお言葉の、云うなら裏ずけ云うなら実証者に一人一人がお取り立て頂かにゃいけません。
　しかもそういう信心を頂かせて貰うておる、そういう信心をもって信心だと云うのだと、そういう信心をしておれば誰でもお徳が受けられると云う訳です。
　半信半疑でいつまでたっても只お願い、そしておかげになったり成らなかったり、おかげを受けた時には有難い、おかげを受けなかった時にはガッカリすると云った様なね。信心が例えば何十年続いたところで、これは御理解第二節が嘘になる。
　私だん一家中挙げて一生信心したって御神徳らしいものも受けじゃったと云う。受けん筈、信ずる心が一つも育ってない。いつも神を杖についとらん。如何にも金光様を唱えておるから杖についとるとじゃない。どの様な場合であっても神を杖についたら、この様な中にあっても楽だと云うものを心に感じなければ神を杖についとるとは云えない。
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 　昨日は、午後から秋永先生のところの秋永先生達のおばあさんのなる方の三十年の式年祭がございました。
　本当に私は思うて本当に信心の巧者な人達が兄弟揃うとりますから、もう本当に非の打ちどころのない様なお祭りでした。皆がずーっと孫に至るまで正装致しましてね、あのお祭りを拝む様子は本当に霊様に本当に小躍りして喜ばれるとじゃなかろうかと云う位に有難いお祭りでした。
　私は昨日ね、そのお祭りを仕え終ってから、あの御直会のときにフッと何か今までにない様なものを文男先生が来て座った時に感じたんです。と、云うのはどういう事だったかと云うとです、この人が部屋に入って來るとね、和らぐと云うことです。これは私は昨日初めて気が付きました。まあ、云うなら親方であるところの秋永先生の場合なんかは、場合には入って来たばかりに焦にするものを感じさせる様なところがありますがね。ところがその場合でも文男さんが部屋に入って來ると心が和らぐ。皆の部屋全体が和らぐと云うことなんです。そして信心とは大したことだなあと思いましたよ。　いわゆる今日云う信心なんです。只拝んどりますと云う事じゃないです。
　皆さん本当にですね、神を信ずる働きがあるからこそです。神を信ずるからこそです。
　腹立たんで済むのですよ。もうこの人がもう二十年もなりましょうか。腹を立てんと云う修行をしましてから。
　それは神を信ずるから腹を立てんのだから、それが五年、十年、二十年と経って行く上に、そういう、云うならばそういう雰囲気を自分の姿形の上に表すことになっとる。しかも部屋に入ったら部屋全体が和らぐものを身につけて来よるなあ、信心ちゃ大したもんだと本当に思いました。云うなら二十年間腹は立てんと云う修行をして来てとるわけです。
　それは神様を信ずる、そしていよいよ分からせて貰うことは、腹立てることは間違いであり、腹立てんことが本当であり、成程腹立てんで行きゃ、神様がこういう働きを下さると云う、なら神を信ずる力が段々あの程度ですけど出来て行きよるね。あれがもっともっと、云うなら垢抜けした信心になれば、もっともっとこれに喜ぶ心が生まれるのだろうと思います。
　和らぎ喜ぶ心と云うね、その文男さんが場合はその上の和らぐと云う、と云うところだけは身に付けておるなあと思うたです。
　皆さん、本当にね、あっちが部屋に見えたら何かカーッとするとか、暖かい感じがする位のものを身に付けにゃいかんですよ。
　暖かうなったり、冷たうなったりしよってから、そういう雰囲気は生まれて來はしません。
　自分の心を暖いものにして行くために、それを持ち続けなければ駄目です。
　何故持ち続けられるかと云うと、神を持ち続けられるのです。腹を立てんと云うたらです、神様を信ずるから、それこそ腹を立てちゃ馬鹿らしかと、いわば腹を立てんで済むと云うことが段々有難うなって來るのです。だから、そういう雰囲気を身に付けることが出来るのです。
　文男さんの信心がです、もう一段飛躍したらです、これはこれに喜びが伴うて來るだろう。いわゆる和らぎ賀心が開けて來るだろう。そしたらもっと素晴らしかだろうと云う様なことをね、昨日私は思いました。
　皆さんどうでしょうか。家の中で自分が一人が信心させて頂いておるが、家の中の者にどれ位、はあ家のお母さんが信心して呉れるから、家のお父さんが信心して呉れるからと云う様なものを、云うならばそこに一つの潤いと云った様なものがです、これは一の徳です。だから、　　が出来て行って、いわゆるみてることがないと云う、限りないお徳を受けると云う信心。信心すれば神徳は信心すれば誰でも受けることが出来ると、誰でも受けることが出来ると云われる信心をです、させて貰わなければいけない。そして初めて教祖様がこの御理解第二節はオーバーな御理解じゃない。成程こういう信心になれば誰でも受けることが出来ると云うことを実証さして頂くことがです、金光大神の、いわゆる教祖の神様にお応えするお」報いすることにもなると思うのです。
　昨日の御理解と今日の御理解とを会わせて、もう一遍会わせて頂いてみて下さい。そしていよいよどうでも良いと思えれる心の状態を願いなさい。その事の時点時点をそれで良いと思えれる信心をひとつ身に付けて下さい。そして今日の御理解を頂いて行くとです、そういう信心が続けられるなら必ず神徳が受けられます。
　しかも、それが大きうなって行けば行く程、しかもみてると云うことがないおかげになって行けるですし、あの世にも持って行けると云うておられるのですから、この世にも残しておけれるとも云うておられるのですから、折角信心さして頂けるならそういう信心を一つ目指したいと思いますね。　どうぞ。